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2006.10.31 (Tue)

かいぞくのうた

 難破して、今は幽霊船として知られてる船の中。
 あたしが足を止めたのは、床に空いた大穴の前だった。朽ちて腐って空いたんじゃない。なにか強い力で空けられた―――そう、タイホウっていうので空けられた穴だったから。

 ああ、そういえば、この船ってば海賊船だったんだよな、って。
 そう思ったときに、そのヒトは―――海賊の幽霊は現れたんだよ。
 ディモンっていう名前の、ジェロニモ海賊団の一員さん。ジェロニモ船長のために、腕を武器のカットラスに変えた勇猛な男。

 にーさんが幽霊だっていうのは、見てすぐわかった。あたしがすぐ逃げなかったのは、ひどいことしないって約束してくれたし、それにうまいこと、このにーさんから船長室の場所を聞き出そうって、そう思っていたからなんだけど。

 でも。

 ハナシ聞いていたら。

 自分が死んだことわかっていないのか、ディモンのにーさん、船を直して海に出ようと一生懸命で。
 あたしたちにとっては「幽霊船」で「難破船」のここは、にーさんにとってはまだ「海賊船」で。

 それであたし、ようやくわかったんだ。この船の中に入ってから、いつも海の上の波の音や、風の音が聞こえていたわけ。

 船も、海に戻りたかったんだ。ずうっと海の風を、浅瀬に寄せる波じゃない、ちゃんとした波を感じたいと思っていて、それをずうっと夢に見ていたんだ、って。

 もしかしたらあの霧も、ディモンのにーさんにホントのことを見せたくなくって、それで船が呼んでいたのかもしれないね? ネイフィリア、船長の一番目の奥さんの名前がつけられた船。きっと、海賊たちのことが大好きだったんだろうから。

 船底に空けられた穴をふさげば、また船は走り出すことができるってディモンのにーさんは言ったから、あたしはそこに飛び降りていって(うんとたくさん、丈夫なロープ作っといてよかった!)、折り重なっていたたくさんの白骨の―――穴ふさごうとがんばって、そして果たせなかった海賊たちの、仕事の総仕上げを手伝った。

 マントの布地とペグを使って、穴をふさいだんだ。

 そして、直った船は―――もう難破船でも幽霊船でもない、海賊船ネイフィリア号は、夜明けの海へと出て行ったんだ。海賊たちを全員乗せて。

 今にして思ったら、船直す手伝いするかわりに船長服ちょうだいって言ったらよかったかな。

 でも。

 そのときあたし、綺麗さっぱり服のことは忘れていたんだ。
 だって、船の甲板が朽ちてしまうくらいの長いながい間、ディモンのにーさん……ううん、副船長は、たった一人で、片手と口だけで、船の修理しようとしていたんだ、って。

 そう思ったらさ。

 いや、海賊って悪いヒトたちなんだけど! 孤島送りが当然の連中だったんだろうけど!

 フォディのねーさんには「海賊の船長服」でなく、「副船長のカットラス」で勘弁してもらおう。や、あたしが聞いたジェロニモ海賊団の話を聞いたら、ねーさん絶対文句言わないはずだ。

 船長服は、着るか飾るかしかできないけれど、カットラスだったらずうっと一緒に使うことができるもの。
【Gala Mate】⇒...★ディモン
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2006.10.30 (Mon)

生まれる火精

 活火山で「天翔る風」を狙うディーグルのにーさんたちのところに、食料をお届けに参上。
 途中、トラロックのにーさんに原住民に間違われたりしたけれど、まあ、懐の深いあたしとしては、そんな細かいことは気にしたりしない(笑)

 トラのにーさんは、水術師。その技量を応用して、溶岩を操ることは出来ないだろうかって、実験と研究に来ているのだって。

 水と火、なんてまったく違うモノ同士なのに、そんなことを考えたりもするのだね。まほーつかいっていうイキモノは。
 水の話をしていたからってわけでもないんだろうけれど、アーウィンドのねーさんも後から追いついてきて、前にお願いしてあった熱さよけのマジックアイテム―――魔法のペンダントを一個ずつもらった。魔力のこもった綺麗な石が、あたしの渡した月光の糸に通されてる、すごく綺麗なペンダント。
 でも、それをじっくり見るヒマもなく。

「其れ」は起こったんだ。

 小さな噴火口から吹き上がった煙と火柱。そして散った火の粉の一つひとつの中に潜む、生まれたての火精の姿―――サラマンダー、って言うんだったっけ? 
 精霊なんて見たこともなかったあたしの目に映るくらいだったから、きっと、それらはよっぽどチカラに満ちたものだったんだろう。

 一瞬、すわ白い風の前兆か、って思ったけど、でもそれは、ゼルっていう魔法使いのにーさんが、精霊に頼まれて行っていたことだった。

 火山から生み出される火霊たちの手助けにして、旅立ちを寿ぐ儀式。

 白竜の息吹、ともいわれるその風も、もしかしたらそうやってなにかを生み出すモノだったりするんだろうか―――
【Gala Mate】⇒...★ディーグル...★トラロック...★アーウィンド...★ゼル(小噴火口)
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2006.10.29 (Sun)

幽霊船(2)

 しるしのロープと香りつけを後に残しながら、階段下りて船の中に。

 船員さんが使っていたらしい部屋が、ここにはずらっと並んでた。
 船首か船尾か考えて、船尾のほうから探すことにした。船長室。

 まあ、それでもやっぱり好奇心っていうの? 中を覗いてみたいっていう気持ちは抑えられなくって、一つの船室覗いてみたけどね。

 幽霊に会わない、縁起担ぎのおまじないのコトバ。
 Trick or Treat.って呟いて。
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2006.10.28 (Sat)

幽霊船(1)

霧のうんと深い日、たまさかにその船は浅瀬にあらわれる、という。
(や、実際に現れるんだけど)

 ずっと以前に難破してしまった船。幽霊船。

 まあ、フォディのねーさんと約束したわけだから、乗り込んだけどさ。
 ―――浅瀬、なんだよね。船があるのって。でもって船底に大穴開いているから、もう海は走れない。

 なのに、あたし。
 霧が漂う甲板を歩いているときに、確かに、海の上で聞こえる波の音を聞いたんだ。砂浜に打ち寄せる波の音とは違う音を。

 この船は、まだ波の上を走っているんだろうか。
 走り続けているんだろうか。ユメもゲンジツもあいまいにしてしまいそうな霧の中で。
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2006.10.27 (Fri)

あらしのまえに

 目が覚めた時、すっごいパウンドケーキが食べたいって思えたのは、いったいどうしてだったんだろう…… つか、そんなこと叫んで飛び起きていたっぽいあたし。

 いくらダナが料理上手でも、さすがにここにはバターも小麦粉もないから、代わりに林檎味の飴もらった。二粒。どっちもあたしがもらってよかったみたいなんだけど。うーん。

 嵐が近づいているせいか、外の空気は冷たくて、そのまま二人でマントかぶってあれやこれやと話す。今までのこととか、これからのこととか。

 そうそう、幽霊船の探索に行くのに、長いロープ一緒に作ってもらうことにした。あっちこっちに括っていったら、いざって時にもすばやく逃げ出すことができそう。それと、あとはいつものように、匂いで印をつけていけば―――

 あたしの匂いは、砂のそれか、さもなきゃいつも使ってる香油につけてもらってる林檎の匂い、って思っていたんだけど。
 ダナの鼻だとそのほかに、ちゃんと「あたしの匂い」っていうのもするらしい。その辺はやっぱ、抱き枕になっても狼(笑)。

 でも、そんなに鋭いハナを持っていても、やっぱり自分の匂いっていうのはわからないものっぽい。あたしが、ダナはお日様の匂いがするって行ったら、ずいぶん驚いていたからね。いつもいつもかいでいるものだから、やっぱり馴れてしまうのかな。ぬくぬくなのに、もったいない。

 つか、お祭りの衣装でおめかししていたって、いつもの格好していたって、あたしがあたしであるのと同じように、もふもふ毛皮の狼さんだろうか、ヒトの姿をしていようが、ダナがダナであることには変わりないと思うんだけど―――

 見た目って、やっぱそんなに大事なモンなんかな。や、ちゃんと綺麗におめかしするのは、あたしも大好きなんだけどね!

 幽霊船で幽霊からかう話や、ダナの毛皮を刈り込む話していたついで、眼鏡をもう返したほうがいいかどうか聞いてみた。

 まだあたしが持ってていいって言ってくれた。
【Gala Mate】⇒...★ダナ
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2006.10.26 (Thu)

みどりのゆめ。

 んー・・・・

(もそもそ、うごめく赤毛)

(砂色マントの中で、一晩ぐっすり眠っていたようだ)

【Gala Mate】⇒...★スウリク
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2006.10.25 (Wed)

迷子発見

 冒険者っていうのは気まぐれが身上、だからしばらく姿見かけなくっても、あんまり心配することはないんだけど、これに限ってばっかりは―――迷子の達人に限っては、さて、どこで日干しになっているかわかんないし。ねえ?(笑)

 というわけで見つけたよ。古代樹の枝の上にひっかかっていたあたしの枕。どこほっつき歩いていたんだか、髪留めもバンダナもなくしちゃってぼさぼさ頭になっていたけど…………

 バンダナは、あれは髪を押さえるためでなくって、額の傷を隠すものだっんだ。いきなり見たからびっくりして、つい、癖でぺろってやっちゃったけど。
 ―――獣人さんって、ケガしたとき、とりあえずぺろってなめとくっていうのはしないんだろうか…… すごいびっくりされたけど、ウチでお兄ちゃんたちが飼ってる番犬だって砂狐だって、最初はそうやって傷を治そうとするんだけど……

 そのままダナが塒にしていたうろに移動して、いい機会だからって、左胸の傷の抜糸してもらった。どくろ岩で怪我したときの。
 
「勲章だ」っていう言い方もするみたいだけど、傷跡が残るのはやっぱりあんまり嬉しくない。それが大きければ大きいだけ、見るとどうしてもそのときのことを思い出してしまうから。ダナが心配してくれて綺麗に縫ってくれたのも、きっと、それとおんなじ理由なんだろう。

 特に、このときの傷は。
 ―――あたしが助けられなかった、赤ちゃん三人。あの後、ほんとどうなってしまったんだろう。ちゃんと大きくなれただろうか。海の民の人の肌は日焼けしているから、もともとの色がどうだったかなんてわからないんだけど―――

 痛いのを我慢したご褒美、ダナが久しぶりにもふもふの狼さんになってくれた。
 冬毛ってば、ほんとにふかふかぬくぬく…… (ほんわりうっとり)
【Gala Mate】⇒...★ダナ
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2006.10.24 (Tue)

赤い実

 食べ物が少なくなって来たんで、山のふもとのジャングルまであたし一人でとんぼ返り。まだ縫ったとこがひっつれるんで、本調子とはいえないんだけど、火山地帯を駆け抜けるのも、ずいぶん早くできるようになってきたと思う。

 コツは熱いのが伝わって来ないうちに、すばやく足を動かすことだね!(笑)

 で、見つけたのは美味しそうな赤い実の房。高いとこになってて、手が届かなかったから、どうやってとろうか考えていたら、フードかぶったねーさんに―――あとでフォディって名前だってわかったけど―――その木はかぶれる木だから、幹に触ったらいけないって言われた。登らなくってよかった;;

 木や薬のことに詳しそうだったし、ローブなんて着ていたから、あたしてっきり魔法使いさんか、薬師さんだと思っていたんだけど。痛み止めの薬だって、気前よく分けてくれたし。

 だけどそれ、どっちも外れで。

 よりにもよって、ねーさん、海賊さんだったよ……。クオンたちのとことは、また違う海賊っぽかったけど。でも、海賊であることには変わりない。
 そのあとはもう、売り言葉に買い言葉。や、いくら海賊だからって、なにかもらった以上は、ちゃんとお返しするなり交換するのが、お金の使えないこの島の流儀なんだもの!

 だからまあ、そんな成り行きで。

 よりにもよって、幽霊船で死んだ船長の船長服なんてもの、探してとってくることになっちゃった……。

 や、別に、別のものでもいいっぽいんだけどね!? だけどそれがベストだって言われたら、それ見つけてこないとなんか悔しいじゃんか!

 そんなモノ持ってきたら、絶対のろわれると思うんだけどなあ。それでもかまわないって言うんだから、ホント、海賊ってわっかんないや……。
【Gala Mate】⇒...★フォディ
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2006.10.21 (Sat)

天国の話。

 燃える火の山、デールのねーさんを案内して登山中。

 デールのねーさんが見張りをしてくれている間、あたしは丸くなって眠ってた。なんかそれで、ひどくムカつく夢を見て―――そのくせ、なんか起きるのはイヤで。それでもそもそしていたら、ねーさんに、起きたくないのかって笑われてしまったよ。

 いつまでもお布団の中で眠っていたいって思うのは、そこがよっぽど安心して気持ちいいからか、それか目を覚ました現実を見たくないって思うから。
 まあ、確かに火山なんて、そんなに見てて楽しいモノでもないんだけどさ!(笑) でも、少なくともあたしたちは望んでここに来ているわけなんだから、見たくないなんてふやけたことを言ってはいけないよね。
 すぐに交代してしまうのもナンだから、って、ねーさんが眠ってしまう前に、少しおしゃべりをした。
 天国の話。
 高いところに登ってきているせいか、それか周りの景色がほんとに地獄みたくに殺風景だからか。さすがのあたしも地獄って言うのには、まだ、足突っ込んでみたことはないんだけど。

 街の聖堂でのお説教の時間では、天国っていうのはとってもいいところなんだってハナシを聞いた。皆イイひとばっかりで、悲しいこともつらいこともなんにもなくって、暑くも寒くもないし、おなかがすいたりすることもない。
 だけどデールのねーさんは(ここだけのハナシ、ね?)、それは本当に「天国」なんだろうか、って思ってる、って。
 いつもいつも幸せで、なんにも変わることがない。ただそれだけの生活って、ホントに「幸せ」なことなんだろうか、って。

 あたしがそれ聞いて思い出したのは、以前に誰から聞いたんだっけ、吟遊詩人さんだったかな。それともマリーが本から読んで聞かせてくれたんだったかな。円卓に集う騎士たちが、“聖杯”を探してさすらう物語だった。
“聖杯”を手にいれることができるのは、ホントの意味での“騎士”だけだから、出てくる騎士さんたちはそれぞれに修行して、自分の信じる「正しい道」を貫こうとするんだ。“聖杯”を手にする資格を得るために、御前試合で手柄をたてたり、竜を退治しにいったりして。
 でもだけど、結局、誰も“聖杯”を手に入れて、戻ってくることは出来なかった。
 
 すべてを満たし、完璧な存在になってしまったニンゲンに残された道というのはただ一つ。
 立派な騎士として国や人々を守り導くことではなくって、死ぬことしかなかったから。

 満たされたら、そこまで。

 寝る前の物語としては、ちょっとしめっぽくって重たかったかもしれない。そういう意味では案内人失格なんだけど(ほら、お客さんを不安にさせたら駄目でしょ?)、でも、デールのねーさんは面白がってくれたみたいだからよかった。

 少なくとも、あたしたちはまだまだ満たされないし―――だから退屈そうな天国に行くのだって、まだまだ当分先のことっぽい。
【Gala Mate】⇒...★デール
EDIT  |  02:27  |  SEA  |  TB(1)  |  CM(0)  |  Top↑

2006.10.20 (Fri)

鈴の音

 鈴の音を聞いた。夢の中。

 今あたしが持っているのは、マリーにもらった金色の、明るい音のする鈴なんだけど、それじゃなくって前に持っていた―――光と影のちょうど狭間、蝙蝠が舞う薄闇の魔術師のノクターンのにーさんからもらった銀の鈴の音。魂寄せの鈴の音。

 いったい誰が鳴らしているんだろう、って、探しに行こうとしたら、黒い影に行く手を阻まれた。行ってはいけない、って。
 奇妙に聞き覚えのある声、つーか、気配だと思ったら、その影、スィリーのにーさんだったんだ。エイザーのねーさんの案内勤めた長丁場の仕事に出た朝、噴水広場で見送ってくれた黒外套の精霊術師。

 あのとき。
 スィリーのにーさんは、黒い海流を越えた先の島に行く、って言ってて。
 だからあたしは、あたしのかわりにあたしの向日葵の観察してね、って頼んでおいたのに、にーさんってばその約束破って、まだどっかをふらふらしているらしい。
 戻ってきてよって、このあたしが頭下げて頼んでいるのに、にーさんってば言うこと聞いてくれないしさ!
 ほんとむかついて、どうしてくれようって思っていたら、クロゥファのねーさんも、鈴の音を聞きつけたんだろうか。駆けつけてきてくれた。

 銀の魔女。白の雪の子、時の落とし子、流れ落ちる砂を見続ける娘―――二人の間にも、あたしの知らないナニカがたくさんあるっぽい。

 でも、思うことは、少なくともクロゥファのねーさんとあたしは一緒。

 スィリーのにーさん絶対見つけて、でもって連れ戻してしつけをしなおしてやる!
 
【Gala Mate】⇒...★影(スィリー)...★クロゥファ
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2006.10.18 (Wed)

空へ。

 金の粉、紅の粉が、黒い夜空を焦がして舞い上がる。
 それはとても綺麗な光景で。

 あたしがここにいてもいなくても、それはきっと変わらない。

 誰も見ていなくても、それはやっぱり「綺麗」っていうことには変わりないんだろうか。
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2006.10.17 (Tue)

伝令

 高いところを移動するときに、下を見るのは厳禁。

 わかっちゃいるけど、ここってば、下から熱気と音が吹き上げてくるものだから……それで、つい、覗いてしまって。覗いたら、つい、小石を落としたくなってしまうんだ……。

 一緒に火山に来ているヒトたちは、ほんと自分たちの好きなように出歩いてるわけなんだけど(笑)、今日のあたしの収穫は迷子一匹。熱気を避けた岩の影で、デールのねーさんのこととか、あたしが下で調べた風の道のこととか話していたら、ひょっと戦争中のときのこと思い出した。ほらあたし、伝令として走り回っていたからさ。

 あたしは剣や魔法が使えるわけじゃないから、そうやって、伝令として皆の間を走り回っていたほうがいいのかもしれない、って言ってみたけど、ダナはあんまりいい顔しなかった。一緒に遊んでる時間は長くても、あたしがちゃんと仕事をしているところは見たことがないから、イマイチ信用がないんだろか。

 天を貫いて翔るという風。それに乗って空飛んでみたいっていったら、一緒に飛ぶんでなくって、下で待ってて受け止めるって言ったしなあ。うーん。

 うっかり落っこちるような、そんなヘマはあたし絶対しないと思うんだけど!
 松やにの匂いのお酒を一杯もらって、もう今日は休むことにした。
 ―――見張りしなくて寝てていい、っていうのは、なんかやっぱり慣れないんだけど……。
どんなに長い間でも、いつかきっと【終わり】は来る。迷子でなくなるときが来る。そのとき、ちゃんと笑っていられるように。もう後悔しないように。 
【Gala Mate】⇒...★ダナ
EDIT  |  03:35  |  SEA  |  TB(1)  |  CM(0)  |  Top↑

2006.10.16 (Mon)

見下ろす。

デールのねーさんと一緒に―――「案内」、でなくって、「一緒」でいいよね?―――火山の登山。

 騎士を名乗るくらいだから、ある意味当然って言ったら当然なのかもしれないけれど、ねーさんは泣き言ひとつ言わないで山道を登る。あんまり真っ直ぐにしているものだから、時々意地悪いって困らせてみたくなってしまうのだけど、でも、ねーさんったらやっぱり困りながらも、真っ直ぐな返事が帰ってくるんだ(笑)

 剣で人を活かせる世界。
 剣なんていらない世界。

 ねーさんは案内人は必要としないだろう。でも、もし聞かれたとしたら、あたしはいったいどっちの【世界】を、案内することになるんだろう―――

 昨日、山を見上げた入り江は、まだここからは見下ろせない。
 もっと、ずっと、上に行かないと。
【Gala Mate】⇒...★デール
EDIT  |  02:34  |  SEA  |  TB(1)  |  CM(0)  |  Top↑

2006.10.15 (Sun)

見上げる。

 本土ほどではないけれど、夜になるとSEAもずいぶん涼しくなった。秋の風。や、雨季っていうのかな? もっとあっさりと。

 そんな頃合の人魚の入り江、泳ごうかどうしようか迷っていたら、デールのねーさんに声かけられた。

 で、泳ぐのはもうちょっとあとにして、久しぶりに案内の仕事。波打ち際をぐるっとまわって歩いていった。

 ヒトが違うんだから当たり前ったら当たり前なんだけど、デールのねーさんとユウホのねーさん、年の頃も髪の色もおんなじで、剣を持ってるとこも一緒なんだけど、でも、やっぱり違ってる。

 話してて、それであたしが思い出したのはいつだったか聞いた話。【宿命】と【偶然】の話。
 ―――その昔。
 人間がまだ生まれるずっと前、神々すらも存在しなかったとき。
【宿命】と【偶然】が賽を振り、勝ったほうがこの世界と神々を作ることとした。
 
 どちらが勝ったかは、見ていたものがいないからわからない―――

 って、そんな話。

 【宿命】によって剣を握ったのがユウホのねーさんだったなら、意思という名前の皮をかぶった【偶然】で剣を握ったのはデールのねーさんなんじゃないかって、あたしは思った。

 宿命にしても偶然にしても、それぞれに、道の切り開き方は違ってくるんだろう。きっと二人とも、その【道】を進むのに、案内人は必要としないだろうけれど―――。

 目的地は、ガジュマル林のとっかかり。火の山の全貌が見える場所。

 二人で一緒に見上げた火の山は、真っ暗な夜空を背景にしょって、まるでのしかかってくるみたいだった。天辺のあたりが、炎を写してぼうっと赤くて。

 あそこまで、あたしたちは登るんだ。

 ほかでもない、自分の二本の足で。
 自然の中ではこんなにちっちゃく見えるあたしたちだけど。
【Gala Mate】⇒...★デール
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2006.10.14 (Sat)

音。

 雨の音に混じる鈴の音。

 聞いていたら、その鈴をあげたことを思い出した。








 あたし、余計なことをしたのかな。
 今更だけど。
 ちょっとだけ、思った。
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2006.10.13 (Fri)

心配性

 あっちこっち出歩いて、今日は旅船で一休み。

 って思ったら、イアニストのねーさんの声で目が覚めた。
 ねーさん、どうやらあたしたちのこと探しまくっていたらしい。ダナはともかく、どうしてあたし?!って思ったけどね! このあたしが迷子だなんて、なんつーか、ほら。ちゃんちゃらおかしいやっていうか、さ?

 だけど話を聞いてみたらば、そういうことでもなかったみたい。
 
 あたしが案内人を始めるよりずっと前に、イーニのねーさんは冒険者を引退して―――たぶん、目の怪我のせいで―――いて。
 
 片目を怪我すると、つか、ぶっちゃけ見えなくなると、それがどんなに不便かっていうのは、知ってるつもり。一週間だけだけどあたしも片目が見えなくなっていたときがあっ手、そのときは案内人廃業かとまで思ったから。

 だからねーさんは三年の間、街の酒場で働いていた。
 きっとその間に、「ヒトがいること」が当たり前になってしまっていたんだろう。
 酒場っていうのは冒険に出かける前のヒトと、無事に戻ってきたヒトが顔をみせる場所だから。だからきっと、「いるのが当たり前」っていうのに慣れてしまったんだと思う。
 ちょっと調子が狂ってしまっただけ。それだけだから。

 寂しいっていうと、どうしても、気弱になってしまうけれどね。
 でもイーニのねーさんだって、大丈夫。そんなに弱いヒトじゃないと思う。
【Gala Mate】⇒...★イアニスト
EDIT  |  03:27  |  SEA  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

2006.10.12 (Thu)

宝物

 約束の島にある、大きな蟻塚の中の―――奥の部屋には、大きな蟻たちが運んでいたいろんな宝物がためこまれてる。

 や、ホントのとこは、蟻に(人間にとっての)イイものも悪いモノも関係ないから、食べられない硬いものを放り込んでるっていうのが正しいんだろうけどね。


 そんな蟻塚の中で。

 今日、SEAに来た目的の、一番のひとつを果たした。


 首がちょっとだけさみしいけど、きっとすぐになれるだろう。
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2006.10.11 (Wed)

白い花(「夢の中」)

 いつも目を覚ますと一番に感じるのは、海から吹いてくる風にのってくる潮の匂いなんだけど。

 今日に限っては、花の香りで目が覚めた。そして思い出した。見ていた夢のこと。

 夢の海の中で出会ったこどもは、まっしろい髪に服にまっくろおめめ。あたしに真っ白いマーガレットの花をくれて、それであたしはわかったんだ。

 ずっと前、聖堂で、神様に白い花をお供えしていた白い子猫。
 本を自分の手で棚から取って、自分の手でページめくって読みたいからって、人間になる方法探していた―――。

 にんげんになりたかったねこは、自分の力でにんげんになった。

 にんげんになった手でペンを持って、まんまるおめめとおんなじ黒い黒いインクで、まっしろな本のページに……

 チャラ・チェロは、そうしてどんなお話をつづってゆくのだろう。

 でもだけど字のほうは、あたしのほうがもう少しは上手だったと思うんだ!
【Gala Mate】⇒...★こども
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2006.10.10 (Tue)

「一緒」

 一晩続いた、季節外れの嵐の後で。

 転がり込んだ旅船のへさきから丘の下を見下ろしていると、どこからか白い霧が湧き出して、まるで船が雲の上を―――や、ちょっと違うかな。銀色の光の海の上を走っているように見えた。
 一体どこから霧が湧いているのか見ていたら、どこで遊んでいたんだか、土まみれになったダナが帰ってきたよ。

「ただいま」がなかったのは、やっぱりここは、ヒトのいる場所で、獣人さんの帰る場所ではないからだ、って。
 帰るべき場所っていうのが他にあって、そこが見つからないから迷子になっているんだと思ってたから、だからあたしは狼の獣人さんたちが暮らしている場所見つけたよ、って、ずいぶん思い切って言ったんだけど―――

 それはどうも、あたしの考え違いらしかった。迷子の理由。

 でもやっぱりね。
 帰るおうちがどっかにちゃんとあるんだから「迷子」になれるのだし、だったら案内人のコケンにかけてでも、そこにちゃんと案内しなくっちゃ。
 帰ったら、すぐに「ただいま」の言える場所。

 でも今は、あたしが行ってみたいと思った場所、霧の湧きあがっているところに、二人で一緒に行ってみることにした。
 ちょっと休んで、体きれいにして、髪もきちんと結ってからね。

 眼鏡はもう少し、あたしの怪我が治るまでは預かってることにした。 その間に、ダナは広い世界を見ることに、慣れてしまえばいいと思う。 
【Gala Mate】⇒...★ダナ
EDIT  |  03:43  |  SEA  |  TB(1)  |  CM(0)  |  Top↑

2006.10.09 (Mon)

続・乙女ちっくで行こう!(素日記番外編)

「と、いうわけでエイザーさんも参加確定しました」
「それじゃ今回は『乙女ちっく4(フォー)』ということで決定ですね。」

 ―――そんなメールのやりとりに、若干の不安を感じつつも。

 前回約束した通り、新宿で開かれていたアンティークフェアをメインディッシュに、東(マリーウェザー嬢)西(私らしい(笑))ダークホース(シェラザード嬢)新鋭(エイザー嬢)の乙女ちっくメンバーが終結、なんとも濃い一日を過ごしてきた次第です。

 名づけて、「乙女ちっくで行こう!2006秋の陣・文明開化の音が聞こえますのよスペシャル!」
 名付け親はマリー嬢です(笑)

 さて、当日のコース内容。
 上野駅集合→
 日本橋高島屋(「銀のボンボニエール展・見学)→
 資生堂パーラー(古き良き洋食ランチ)→
 移動→新宿・アンティークフェア→
 夜組と合流→怒涛の飲み会。

 ……なんか書き出しただけでもういろいろとダメっぽい(滅)。
 ちなみに、エイザーさんは、アンティークフェア初体験。

 閑話休題。
 ボンボニエールというのはフランス語。金平糖のような、ちっちゃな砂糖菓子を入れるお菓子いれのことです。詳細はぐぐって調べてくださいませ。

 日本では、皇室で慶事があったとき、銀製のこれを製作して配る、ということで名前は知っているというかたが多いのではないかなあと思います。
 ただし。
 これがまた、凝った素敵なデザインのものばかりなのですよ!(画像クリックすると大きいものが見られます)
 鳥かご、折鶴、雅楽器、狛犬、複葉機、文箱などなど、見ているだけでため息の出るものばかり。
 先だっての清宮さまのご婚儀の際に配られた、陶磁器のものも悪くはないのですけれど―――やっぱり「銀のボンボニエール」という言葉には、魔法の呪文めいた特別の響きを感じてしまうのです。
 皇室歴代の慶事の折々に作られた小さなお菓子いれは、その時々の時世を写したデザインで(戦争中は軍帽だったり、砲弾のかたちだったり……)、静かにケースの中に納まっておりました。

「でもこれ、デザインによって中に入る金平糖の数って変わってくるよね。」
「そうねえ。貝桶だったらたくさんだけど、飛行機なんて三粒入れたらいっぱいになりそう」
「そうするとやっぱり『損した!』って気分になったりするのかな?」
「……やんごとなきかたがたは、そんなみみっちいこと気にしません!」
 そういうものなんだろうか、やっぱり……。

 作る回数自体は結構多いらしく、いつ配ったものか不明であるものが多かったのは意外。そして、今はもう名前のない宮家ゆかりのものが多いのにも、ちょっとしんみり。

 併設展示として、宮中儀礼の際の衣装なんてものも展示されていたのですけれど。

 檜扇でかっ!?

 ええ、平安時代、女性がこれをかざして顔を隠していたっつー、あの扇です。
 扇といっても、正式な場で使うこれは紙と竹ではなく、木製なのですけれど、でかい。広げたらA3余裕で越える。ハリセンつっこみに使える大きさ。

 こんなでかいものを優雅に扱わなければならなかったとは、平安貴族おそるべし!

 ―――「源氏物語」や「枕草紙」読んでると、「扇の端を折り取って、そこに返歌をしたためた」って表現がちょいちょい出てきて、あんな細いところによくもちまちまと文字が書けるなぁ、と感心していたのですが、あれだったらみそひともじは余裕でいけるわ。いや、答礼のカンニングだって余裕でできるわ、と、納得することひとしきり―――

 ちなみに会場では、銀のボンボニエールの注文制作の受付してました。うっかり心がときめいてしまうところだっy=ー( ゚д゚)・∵. ターン

 地下のドゥバイヨルでチョコレートに舌鼓をうってから、これも私のリクエスト、資生堂パーラーへ。ミートクロケットが食べたかったんだ、ミートクロケットが……!
 
 しかし画像はデザートのアイスクリーム(笑)
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 今度は銀の器に入ってウェハースのついた、あのスタイルの「あいすくりん」をいただきたいと思います。
 ついでに言うなら、隣に座ったエイザー嬢に癒されてくねくねしているシェラ姉は私もツボでした。らぶい(笑)

 で、メインディッシュ。アンティークフェア。
「今日開催されているものはそれほどでもないのよ。店数は少ないし(注・130店舗参加)、行くならやっぱりビッグサイトでないと……」と、マリー嬢は力説していましたが! いやそれでもしかし、先日あった臨時収入はすべてママンの口座に振り込んでおいてよかった、と何度思ったことか(喀血)。

「ほんとに、向こうに(買い付けに)行くたびに、『もっともっとお金があったら!』って思ってしまうんですよねえ」とは、とあるお店の白髪のおばあちゃまがにこにこしながらおっしゃった言葉。

 今回は雑貨系が多かったのかな? ファイヤーキングを手ごろな価格で扱っている店が多くて、やばいやばい(笑)。うっかりこんなのに手を出したら恐ろしいことになってしまう!
(んでも、マックの朝メニューアドマグが2600円だったんだよなあ。惜しいことしたかしら……)

 特にこれ、とコレクションしているものはないのですけれど、やっぱり猫モノには目がいってしまう悲しい習性。
 純銀のピルケースと、9Kのペンダントヘッド。
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 先に書いた、おばあちゃまのお店にて。どちらもイギリス製。
 ピルケースは、以前にお土産ものとして売られてるものを見たことがある現代モノ。ふたに猫が四匹。
 ペンダントヘッドは1900年代。しっかり写らなくって悔しいのですが、大きさ約1.5cm。毛並みまできれいに再現された張り合わせのお座り猫です。バングルのチャームとして使う予定。

 シュタイフの猫のぬいぐるみ二匹。

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 耳タグは取れてしまっていますが、ボタンから推定すると1960年代。首傾げているのがスージー、お引越ししてちょっと怯えているのがタビーです。うんと可愛がられた子らしく、スージーには背中にちょっとハゲがあります(笑)。
 タカラがあんまり力を入れていないせいで、くま以外のシュタイフってあんまり入ってきていないのですよね。グリーンのグラスアイがとってもきれい!

 どっちの子を連れて帰ろうか、閉会間際までさんざ迷っていたら、「最終日だし、半額にしてあげるから両方連れて帰ってあげて」と、おっしゃってくださった店主さんにほんと感謝 orz

鳥かごのデザインの時計(中国製。オメガのぱちもん(笑))にウケつつ、アンティークのトンボ玉にときめきつつ、あっという間に時間は過ぎ―――。

 戦果報告の後は、夜のお楽しみ。別働部隊に合流しての怒涛の飲み会。
(別口オフのかたがたにも、ちょっとだけ挨拶ができました――― いずれ今度はまた表で!)

・とりあえず、この面子で飲み放題というのはどうかと思った(笑) 予想通り、恐ろしい結果となったわけですが!(笑)
・マリーウェザー・ラムサス製作・リーフ監修、噂の「自由研究」レポートを拝見。よくぞここまでまとめたものだ、と感心すると同時に戦慄する――― (ざわわわ)
・席次は、レポート内で分類された型によって。
 マリー嬢がてきぱきと、「はい、SSはこっち。SMはここ。MSはそっちで、MMはこちらね」と指示するのを聞いていた店員氏の表情はちょっとした見ものでした(笑)。
・糾弾されるリイチ氏を、ニヤニヤしながら見守りかつ煽っていたラムサス氏。しかしリイチ氏が先に帰宅するや否や、すべての矛先がラムサスへと向かったものだから、とたんにしょんぼり。
・そんなリイチ氏とラムサス氏の間にはさまれていたボーン編集長。
「……た、たすけて……」という台詞が、ほんと切実で必死でした(笑)
・女王の貫禄ですべてを見守っていたマリー嬢なれど、話題がとあることにさししかったとたん、手にしていた割り箸を音をたててへし折っておしまいに。いやホントに。マジで(笑)。
・いったいなにが後ろめたいのか、爽やかに微笑む歌王子の目を正視できないシェラザード嬢。
・リーフ嬢は美――― (以下の発言は削除されています)

 これくらいにしておこうっと(笑)

 ほんとに楽しい時間をありがとうございました。次に遊びに行くのは一月のティアラ展かなあ。それとも二月のアンティークフェスか…… 上野のミイラ展も見に行きたかったぜちくしょう!(笑)
 いずれにしても、また遊んでくださいね。

 ラスト一枚、駅前のお花屋さん。
 まるで絵葉書みたいに綺麗だったので、つい一枚。
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2006.10.08 (Sun)

搭の上の姫君。

 ―――なんてガラじゃないのは百も承知しているけどね(笑)。でも、言ったのはユウホのねーさんの方だから大目に見ておいてもらおう。

 あげられた古代樹の上。自分ひとりで降りるには、まだちょっと傷が痛む。
 なかなか来ない迎えに退屈して死んじゃうかって思っていたときに、ユウホのねーさんが登って来てくれてホント助かった!
 葉っぱの間からちらちら見える、海の上に出来た月の道みながら、二人でいろんなこと話した。

 ねーさんと二人で静かに話したのって、ずいぶん久しぶり。確か初めて出会ったときも、月見て話をしたのだったっけ。ちょうど一年くらい前のこと。昔の天文台の跡で。

 ユウホのねーさんが「お話」を探している理由は、知り合いのヒトが、ただ静かにその運命を受け入れてしまうのではなく、少しでも逆らって「その前」に、少しでも自分でここにあふれている綺麗なものを、自分の目で見てみたいと思ってもらいたいからなんだって。

 寝る前のお話聞いていたら、続きが気になって眠れなくなってしまった、って、あんな感じで。

 正しくモノガタリを伝えることは苦手だったけど(つか、きっぱりダメだったけど)、そういうことならあたしは得意。島で見た綺麗なモノの話、また今度たくさんしてあげよう。

 お迎えがなかなか来ないから、手紙だけ残して、あたしユウホのねーさんに、旅船まで連れて帰ってもらった。 
【Gala Mate】⇒...★ユウホ
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2006.10.07 (Sat)

お月見の夜

 金貨チョコみたいに大きくて、特別につやつやの金色したお月さまが、人魚の入り江に道作ってた。

 だからアルのにーさんもらった林檎酒もって、月見酒をしゃれこんだら、さっそくエモノがひっかかったよ。氷の術師のアーウインドのねーさんと、ダナ。

 ダナ、こないだあたしがなくしたと思っていた金の鈴―――マリーがあたしにくれた鈴を、あたしに届けに来てくれたんだった。

 SEAに来てからこっち、あたしが時々感じている違和感とか焦燥感。
 自分が「違う」場所にいるからこそ感じてることを、もうすっかり経験済みだっていうアーウィンドのねーさん(ほら、北の国の出身だからね?)なんだけど、そのくせ、自信なくしてプレッシャーに負けかけることもあるらしい。

 ヒトは見かけによらない。そんなことはわかりきっているけど、でも、アーウィンドのねーさんがそういうことを言うなんて、思ってもみなかったから。

 ちょっとびっくりした。
 
 波の音って、ヒトを素直にさせるんだろうか。それとも海。

 お薬のこととか、まだまだ話のタネは尽きなかったんだけど、急にお酒飲んだせいかな。
 ダナの具合がちょっと悪くなったから、あたしたち、そのまま旅船に移動することにした。


 ……あのとき、引きちぎられて転がっていった、あたしの鈴。
 ダナ、わざわざ探してきてくれたんだろうか。

 ……・・・・・・・・・・・。
【Gala Mate】⇒...★アーウィンド...★ダナ
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2006.10.06 (Fri)

白い狼

 白い狼さん。

 ―――狼の獣人さん。ベイラーのにーさんと、古代樹の上で出会った。

 どうもこう、ケガしたり病気したりしているときって、気弱になってるっていうか、油断しがちだっていうか、ホラ、あれだ。

 いつもだったらそこまでつっこませないことを、うっかりベイラーのにーさんに突っ込ませてしまった。不覚。
 で、もっと不覚だったのは、それを立ち聞きされてしまった―――っても、相手ニンゲンではないけどね―――こと。

 ウルグフェン、って名乗った、真っ白な狼さんだった。ヒトの言葉を話したから、たぶんきっと獣人さんだったんだろう。
 どうもあたしの血の匂いをかぎつけたらしくって、最初はにーさんやあたしのことをゴハンとしか見てなかったっぽいんだけど、ベイラーのにーさんが持っていた燻製肉…… うん、肉をあげたら落ち着いてくれた。そしたら後は、落ち着いて、普通にちゃんと話だってできる。
 飴玉のどにつまらせた時だって、あたしの手のひらから水、飲んでくれたしね。
 ベイラーのにーさんが、一緒に休んでいったらどうかって誘ったけれど、ウルグフェンのにーさんはそのまま、自分の塒へと戻っていった。樹の上の方。

 もしかしたら、そこには、狼の獣人さんが集まって暮らしている場所があるんだろうか。
 いや、ないにしても―――少なくとも、ここにはウルグウェンのにーさんが、いる。
 だったら…… それだったら。

 狼は、きっと、毛皮の色がちょっと違ったり、ヒトの匂いがしみついてるからって、いじめたり嫌ったりはしない、と思うから。
 それだったら……

 その夜は、ベイラーのにーさんのそばで寝た。
 蹴っ飛ばしたらいけないと思って、めっさ緊張した……
【Gala Mate】⇒...★ベイラー...★白狼人ウルグフェン
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2006.10.05 (Thu)

旅船。

 いつもは冒険者さんの姿を見ることが多い、丘の上の旅船なんだけど、今日、そこにいたのは珍しく船乗りのにーさんだけ。久しぶりにオカに戻ってきたんだろうか、なんだかすごく饒舌だった。

 ―――まだ砂漠を見たことがない、っていうそのにーさんは、なんでかな、ちょっとだけ、懐かしいようなニオイがしていたよ。

 水平線の向こうのニオイ。

 それにしてもどうしてこっちのヒトって、あたしに母さんが四人いるって言うと、あんなヘンな顔をするんだろう……。

【Gala Mate】⇒...★イヴィルジ
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2006.10.04 (Wed)

いっかいやすみ

 いくらあたしがどっかに出歩きそうだからって、一人じゃ傷が痛くて降りられないような高いところの―――古代樹の高いとこの枝にある、巣の中につっこんで行くのは、正直どうかと思うんだ!
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2006.10.03 (Tue)

手馴れていた。

 痛い。
 すごく痛い。

 怪我と、そうじゃないとこと。

 ……や、ちょっと違うか。傷は、ちゃんとダナに縫ってもらって手当してもらったから、もうそんなに痛くない。

 痛いのは。

(ページを何枚か破った跡)

 
 どくろ岩を出て、人魚の入り江まで来て、傷洗って止血して―――でもそこでさすがに根性が尽きた。
 まったく動けないってわけじゃなかったけど、そのまま休んでいたら、ダナが来て。

 そんなにひどい匂い、させていたんだろうか。血の匂い。ダナ、狼さんのくせに菜食主義者で、ユウホのねーさんが魚さばくんでも風上の方にこっそり行ってるくらいだったのに。

 ―――傷の縫い方も、糸の切り方も。
 街のお医者さんとは全然違うんだけど、手早かった。慣れていた。そのための糸と針だって、荷物のすぐに取り出せるところにしまってあったっぽいし。

 ダナは―――狼の獣人さんは、いつもそうやって一人で手当てをしていたんだろうか。
 言い方を変えるのだったら、昨日、あたしがしたみたいな思いを、いっつも味わっていたんだろうか。

 月の女神さまを信じているのも、肌の色がほかの人と違うのも、それってあたしのせいじゃない。
 なのに、だから―――それだからって、嫌いって言われた。ひどいことされた。ただ、そのせいだけで。いつもいつも。

 もし、そうだとしたら。

 あたしだって、平気になれるはずだ。こんな馬鹿みたいにめそめそしてしまうんでなくって。ダナにできることが、あたしにできないわけがないものね。

 傷が治るまでの間これで遊んでろって、ダナの眼鏡貸してもらった。
 まずはゆっくり寝て、休んで、それから……


 糸とるときって、やっぱり痛いのかなあ……
【Gala Mate】⇒...★ダナ
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2006.10.02 (Mon)

どくろ岩

あたしは、ただ、どくろ岩から、火の山を――― 火山から吹き上げる火の粉、一番飛ぶのはどこなのかを確かめようと思って……。

 それだけのつもりで、いったんだ。どくろ岩。
 奥の方にある岩の裂け目から、外、のぞこうと思って。ただそれだけのつもりで。

 それなのに、いったい、どこで、あたしは道を間違えたんだろう。
「此処」ではないところ――― や、違う。場所じゃない。「時間」だ。「今」ではないところへ迷いこんでしまっていたんだ。

 岩の天井からしたたるしずくのそばに居たのは、普通の男の人だった。ただの人間だった。どっこもあたしと違ってなくって、ふつうにちゃんと親切なヒトだった。

 あたしの肌の色と、もってる鈴の音、聞くまでは。

 したたるしずくは水じゃなかった。

 あたしとおんなじ肌の色をして、お祭りの鈴と弦楽器を持った――― 持った、ヒトたち、の。

 あのにーさんがしたことは、たぶんきっと正しいことじゃない。
 だけどそのにーさんから逃げるために、あたしがしたことは。
 
 ウソついてヒトをだますっていうのは、もっともっとやったらいけないことなんだ。









 ああ。












 あの赤ちゃん三人は、助かったんだろうか。殺されなくってすんだんだろうか。

 いっしょに「いま」につれてくることはできなかったんだろうか・・・・。

(べたべた、血痕のにじんだ殴り書き)
【Gala Mate】⇒...★  

EDIT  |  04:54  |  SEA  |  TB(0)  |  CM(0)  |  Top↑

2006.10.01 (Sun)

柱の・・・でなかった、根っこの傷

 去年、SEAに来たときに、マングローブの入り江の中の一本、枯れた根っこのとこで身長はかってしるしをつけといた。
 や、別に旅船でやってもいいんだけどね!? でもあそこ、なにかとおせっかいなヒトが多いからさ、きっと高さ測られたりなんだかんだされて、あたしいじめられるに決まっているからね! だからわざわざ、ヒトのいないとこで内緒にしておく必要があるんだよ。

 一年。

 あたし、ちゃんと大きくなっていた。




 ふふふふふふふふふふふふ。今にみていろ。

【背後】:SEAに来てから、俄然食料事情がよくなっているので(ダナさんイアニストさんの尽力により)、そりゃあ身長も伸びるよ、という……(笑)。
 ちなみに体型もちょっとふっくらしてきています。「がりがり」から「やせぎす」くらいには!

【Gala Mate】⇒...★マングローブ